先日、国税庁から平成28年分の路線価が公表されました。それによると最高路線価が上昇した都市が、前年21都市に対して今年は25都市という結果になっています。
路線価は土地の課税価格を計算するための基準として用いられます。課税価格には、相続税などの計算に用いられる相続税路線価と固定資産税などの計算に用いられる固定資産税路線価の2種類があります。路線価の中でも、その地域の中で最も高い路線価を最高路線価と呼びます。平成28年は、その最高路線価が上昇した都市が昨年よりも増加したという結果になっています。
路線価と時価は完全に連動しているものではないので、時価が上昇したとは一概に言えないものの、不動産価額が少しずつ上昇してきているとも考えることも出来ます。そのため、不動産を所有している方にとっては知らない間に財産が増加したことになり、良い傾向であると考えることもできます。
しかし、相続財産という観点からすると喜んでばかりもいられません。知らない間に相続財産が膨らんでいるということになります。課税される相続財産が増加すると、結果的に相続税の負担が重くなるという思わぬ負担増加となってしまう可能性もあります。
相続税の納税は原則として現金で一括して納付します。極端な話になりますが、相続財産が全て不動産だとしても、相続税は現金で支払う必要があるので、納税資金を調達してくる必要があります。相続財産の内訳を踏まえて納税資金を準備するという事は非常に重要になってきます。
現預金などは増加や減少の状況が容易に把握できますが、不動産については知らない間に評価額が変わっている可能性があります。昔の評価額を前提に準備していた納税資金が足りなくなっている可能性もあるかもしれません。
相続対策を検討しているのであれば、概算でもいいので常に相続財産の現状把握をしていくことをお勧め致します。
最後までご覧いただきまして誠にありがとうございました。
2016年8月8日月曜日
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